ぼくは世間知らずなほうだと思う。
大きな会社に勤めたことないし、株をやったことないし、自分で確定申告書を持って税務署に行ったこともない。
ゴルフはまだやってないし、大きな病気で入院というのもまだないし、失業したこともまだない。
経験していないことは山ほどある。
結婚して子どもが生まれたけれど、離婚はまだしてない。
借金したけれど、完済はまだしてない。
父親は死んだけれど、母の老後の世話はまだしていない。
やったことないことが多いから、しといたほうがいいことはやってみようかなと思う。
経験しなくちゃわからないことは多い。
知識は必要だけれど、実際にやってみると、違って見えることも多い。
したくないな、と思う経験ほど、後になって役に立つことが多い。
母から、厳しくなったと言われた。
それはぼく自身が世間知らずで、世間を恐れているからだと思う。
ぼくなんか、まだまだ甘っちょろくて、もうすぐ42になるというのに、未熟だと思う。
世間というものが少しばかり見えてくると、ますます自分の世間知らずぶりがわかる。
しなくていい経験もいくらでもある。
争ったり、裏切ったり、だましたり。
妬んだり、恨んだり、軽蔑したり。
祖父も父もお人好しで、わかっててだまされてきた人みたい。
ぼくもその血を受け継いだ。
そんな世間知らずだけど、この世間で、何とか生きていく術を身につけないと。
世間は、厳しい。
でも、悪いところじゃない、と思う。
大人でも やったことない ことばかり 世間知らずが 痛いこの歳 世間とは よくは知らぬが 荒波で つらく厳しく されど楽しき裏切られ こんなものかと 憤り でもやめられぬ 明日があるから