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鷹匠

さっき往診先で聞いてきた話。
「『男は凛として生きないといけません』と、私の父が言ってました」
と教えてくれたinmatさん。
inmatさんはいろいろな話をしてくださる。
まずは眼科で今度はこんな目に遭った、医師として尊敬できない人だった、みたいなクレームから。
「医師の受けてきた教育が…」と言いかけても、
「お医者さんには心も体もすべて預けてるんだから、そのつもりでいてもらわないと」
「そうですね…」
そんな話の中から、冒頭の話へ。

「凛とする」とはどういうことか。

inmatさんは、「鷹匠」の話を紹介してくれた。
普通は連れて行ってもらえないんだけど、小学校4年生のとき、父に鷹を見に山に連れて行ってもらえたという。

鷹匠が鷹を放つ瞬間。
山の空気は変わったという。

inmatさんは昭和5年生まれの74歳。今から65年くらい前の話だ。
そのときの光景が今でも忘れられないという。

「父は私を男みたいに育てたんです」
「父は『凛とした』人でした」
「山の空気が変わったとき、怖くって。背筋が伸びました。変な話、私おもらししちゃったんです。『凛とする』って、ああいうことなんだって、今考えるとわかるんです」

inmatさんは山形県出身。
「山形には、いいところですよ。よかったら行ってみてください」

凛とした人、なりたいものです。

by omori-sh | 2005-04-23 13:51 | episode