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ケガ

仕事が終わって、さあ帰ろうってときにかかってきた電話。
自転車乗ってて転んじゃって歯を打ってしまったらしい。
スタッフいないけど、対応することに。

小6の男の子。
乳歯が抜けちゃった。
普通小6で乳歯が抜けたくらいはどうってことないんだけど、その子は特別。

永久歯が先天的に少ない子で、抜けた乳歯はできるだけ温存しようってことになってた乳犬歯。
厳しいだろうけど、とにかく抜けた歯を探しに行った。
見つかったので、使えるかと思ったけれど、歯を見てこりゃ不可能だなと思った。
ずいぶん根っこが吸収してしまってる。

ケガしなくても、長くは持たなかったろう。
それを説明し、とにかくお母さんに落ち着いてもらうことをはかる。
感情を露わにするお母さん、戸惑う息子。

ただでさえ歯が少ないことで心配で心配でたまらないお母さん。
無理もない。
息子だって、歯が少ないのは自分にはどうすることもできないこと。

本人が一番しまった、と思って困ってるはず。

歯科医としてどれだけのことができただろう。
結果的には歯のレントゲンを撮って、抜けた歯を一緒に探しに行って、ここでは何もせずに経過を見ましょうってだけになったので、何にもしてないに近い。
それでもぼくの対応でお母さんと息子が今回の出来事をちょっとでも納得してくれてたら。

ケガってのは、臨機応変に対応する必要があるから、難しい。

よくなりますよう。

by omori-sh | 2011-03-08 23:09 | create d.c.