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報告の電話

歯医者というのも、ドクターショッピングの対象になりやすい。
腕がいいとか悪いとか、感じいいとか悪いとか。

どこに行っても入れ歯が合わない、というのはよくある話。
難しい方というのは、確かにおられる。

名医と呼ばれる先生は、難症例でも魔法のように治せるんだろうか、と今でも疑問に思う。
ぼくのような凡医では、左右すれ違い咬合(右上と左下にそれぞれ数本ずつ歯が残っているというようなケース)のパーシャルデンチャーを驚かれるほど噛めるようにするという芸当はまずできない。

できないなりに、精一杯はやってみる。
ベストは尽くして努力はするが、期待に応えられないことはある。

正直、難しい方が転医されたら、ほっとする時もある。
たいへんに申し訳ないんだけれど、自分の手に負えない方に過剰に期待されるのはつらい。

今日、近隣の先生から「○○さんという患者さんと△△さんという患者さんとトラブルはなかったですか」という電話をいただいた。
ぼく自身はトラブルになったと認識していなかったので、そんな事実はないと返答したけれど、患者さんはどうも不平不満を話しておられたようだ。

そうか、あの人がそうなんだ、と少々がっかりもしたけれど、まあそんなものだなあと思う。
「わざわざご丁寧にありがとうございます」と電話してくれた先生に礼を告げて電話を切った。

同じような電話、以前もいただいた。
二度目なので、驚きはなかった。

以前報告いただいた方はその後またぼくの診療所に来られ、対応している。
確かに個性的な方で、対応に苦慮してはいる。

報告の電話をいただいてなかったら、また違った対応ができたかもしれない。
知らなければよかったというは、よくある。

「Aさんがあなたの悪口を言ってたけど、ケンカでもしたの」と聞かされたら、Aさんに対してどんな感情を抱くか、なんてことは子どもでも想像できるんじゃないかな。
中学生の娘と話していて、似たようなことで「そんなこと言わなければいいのに」という場面がけっこうある。

大人になってくると、だんだん免疫を獲得して、誹謗中傷にも耐性ができてくる。
人はそういうもんだとわかってくるから。

いろいろ経験するから。
少々のことでは、くじけなくなったなあ。

図太くなってゆく。
小心者のくせに。

by omori-sh | 2013-01-08 23:37 | create d.c.