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黒か白か

本日、ぼくは休日です。
だから、朝ものんびり、carlとの散歩ものんびり。
強風で松葉がたくさん落ちていた。ここらへんは松が多い。木を見て樹齢がわかるわけないのだけれど、100年程度ではないだろう。
たいへん立派な松が林を形成している。

台風が過ぎていったあと、散歩道もずいぶん荒れる。
そして荒れたのを誰かがキレイにしてくれる。
そうじしてくれる方、いつもありがとうございます、またよろしくお願いします。

ここで税金が使用されることに異論はありません。
もちろん、常識的な範囲でというのはいうまでもありませんが、そんなこといわなくても大丈夫なはず。

そういうことまでいちいち気にしなくちゃいけなくなったら、やっぱりそれはよくないですね。

でも、よくないってことがこの世の中にはあるかもしれません。
どうしても時節がら、選挙と結びつけてしまいます。
選挙前だけ頭を下げときゃいいってふうにならないことを祈りつつ、休日の朝、のんびり過ごします。

朝刊をパラパラ。
選挙関連記事よりも、サッカーよりも、やっぱり昨日の阪神-中日戦の記事からいきます。
ぼくは阪神ファンですから。ファンというと言い過ぎですが、阪神に勝って欲しいです。
そしてスゴイ試合をものにした模様。どうもこの一勝はかなり大きいようですね。
なかなかいい気分です。

選挙関連記事で、香山リカさんの文章が目に止まりました。



抜粋します。

「保守」であるはずの自民党が改革をうたい、野党の方が改革に「待った」をかける形について、
「とにかく何かを変えなくては」と"世直し"を強く望む人たちが若い世代を中心に増えており、その人たちが今や「改革の急先鋒」である小泉首相率いる自民党への支持を表明している、ということではないか。

そして「改革が過激であればあるほど熱い支持を得られる」という今の状況を誰よりもよく知っていたのが小泉首相で、今は「おかしいほど過激」というのがマイナスになるどころか人気の沸騰にもつながることを首相は直観的に見抜いていたようであると。

おかしいんです。やっぱり。

「大切な争点がたくさんあるのに郵政一点に絞ろうとするのはおかしい」といった批判をものともせず、我が道を突き進む。

首相の態度は小気味良く、頼もしくさせ見える。世界も身の回りも、複雑な問題が山積みののときに、「今回は郵政改革にイエスかノーかだけで候補者を選べばいいのです」と二者択一の選択肢を出されると、自分の心まですっきり整理されたような気になる。

このような小泉首相の態度を、今の日本人にとって何よりの"癒し"効果をもたらすものなのかもしれないと香山さんは述べておられます。

しかし、自分の頭で考えて多様な選択肢から何かを選び取るエネルギーさえなく、少しずつ修正していくのではなく一気にリセットを、と望んでしまう心理は健康的と言えるのかどうか。

精神医療の現場に「すべてをリセットしたい」「複雑なことは考えられない、黒か白かしかない」と訴える人が現れれば、われわれは「この人の心理的エネルギーはかなり衰退している」と考える。そして、「あなたの心はリセットでは癒されない。じっくり休んで、まず現状を受け入れられるようになるのを待つべきです」などとアドバイスする。

必要なのは「明確さ、わかりやすさ」であり、「改革、世直し」だと言い、そう思う自分は前向きで現実的、という自信を深めている候補者、有権者にはもう一度、問いたい。

「状況を単純化してとらえようとしたり、とにかく過激な変化を求めてしまったりするとき、人の心はしばしば疲弊や病に陥っていることがあります。あなたは違いますか?」と。もしかすると、それぞれの「心の健康度」が問われる選挙なのかもしれない。


精神科医らしいコメントで、リセット志向への懐疑について、ぼく自身もまた考えさせられたのでした。

のんびりした休日、午後は眠い。

by omori-sh | 2005-09-08 13:40 | idea