古い友だち
こどもの日の夜、訪問者が1人。
ぼくらは結婚して10年目。
9年前の披露宴のスピーチでトリを務めてくれたのはそれぞれの古い友だち。
ぼくの親友のdaiは現在東京在住だが毎年会っている。
彼の実家がこちらにあり、帰省したら寄ってくれる。
そういう関係がもうかれこれ15年になる。
今回の訪問者は妻の古いお友だちのakkoさん。
同じ大学の学部違いで、妻とは就職内定先が同じ会社になってから親交が深まったらしい。
会社の同期としてのつき合いから現時点まで細長くつながっている。
ご主人は研究に熱心な医師で、現在akkoさんは翻訳の仕事を家でやりつつ、子どもの教育についても関心があり、精力的に活動されている。
一児の母でもある。
ぼくはひょっとしたら披露宴以来だなあ、というくらい久しぶり。
でも、一目見て感じたことは、「変わってない」ということ。
もちろん変わっていないわけはないんだけれど、変わらない安心感があったんだと思う。
むしろ久しぶりに古い友だちと会えた妻がいつもと違う。
よっぽどうれしかったのか。
会う前からどこか落ち着かない様子。
そして、いざ再会してみるとほっとして、そこからちょっと興奮気味。
子どもたちはいつものようにはじめて会う大人にも人見知りせず、お家を案内したり、遊んでもらったり。
子どもたちを無理矢理寝させて大人3人でワインとつまみでしばし語り合う。
懐かしい、という感情はあまりないのが不思議といえば不思議だけれど、話題が昔話ではなく、現在のことだから当然なんだろう。
基本的に前向きだからかもしれない。
少なくともブログをのぞいてくれているということなので、彼女はぼくらのことを知ってくれているし、たまにやりとりするメールで互いのことを何となく把握できている。
過去を懐かしむのも悪くないけど、3人ともこれからのこと、未来のことに関心が強い。
そもそも深入りする関係でもないというのがいい。
久しぶりに会って、でも気楽に自分の考えや暮らしぶりを話せる関係というのは清々しくていい。
そして必ず何らかの刺激を受ける。
話していると、ちゃんと互いに年をとっていることがわかる。
10年前とはすごく変わっているけれど、みんなある程度似た方向に変わっているから、「変わっていない」と感じることができたんだろう。
どちらかが年を取っていなかったら、きっとあまりの変化に戸惑っていたに違いない。
akkoさんは一泊してくれたから、ぼくが眠りについたあとも、女友だち同士2人はしばらく語り合っていた。
翌朝、ぼくが仕事に出かけるとき、akkoさんに見送ってもらった。
ぼくにとってもまた会いたい古い友だちだ。
by omori-sh | 2006-05-06 23:20 | episode