はやる理由
はやる(流行る)という言葉にもいろいろ意味がある。
ぼくは「はやりめ」がなかなか治らなくて、また妻にもうつしてしまって、いまひとつ気分がすぐれない。
以前はすぐに治っていたのが、治るのに時間がかかるようになったのも、やっぱり年のせいかな、なんて思ってしまう。
35過ぎたら来るよ、40過ぎたらもっと来るよ、50になったらもっともっと…
そりゃそうなんだろうなあ。
年には勝てないに決まってる。
もうすでに年とともに衰えることがあることは明らかなんだけれども、それでもまだまだこれから、ということだっていっぱいある。
ぼくはまだ36歳だ。
これから独立開業しようという未熟者なのだ。
いまぼくが働いている職場は病気療養中の院長の診療所。
もともとここは患者さんが毎日50人くらい来られるいわゆる繁盛歯科医院だ。
スタッフがよく働いてくれるおかげでぼくが代診として一人で診察させてもらった4月、院長不在でも売上が大きく落ち込まずにすんだ(はず)。
開業20年以上で住職一体。
地域にしっかり根ざしているなあという印象を受けた。
ぼくが勤務してきた歯科医院はどこも繁盛店で、どの医院にもはやる理由があると思う。
場所であったり治療の技術であったりスタッフの笑顔であったり。
今月から院長が徐々に復帰して、ここのところよく院長と話す機会が増えた。
一緒に働くようになって、ここがはやる理由というのが見えてきた。
そして、歯科医院のタイプとしては、少なくとも地域への根ざし方という点でぼくが考えているスタイルにもっとも近いのがここであることを感じるようになった。
「自分の住む街、生まれ育った地元で地域医療を実践する」というところが共通しているのだ。
自分が暮らしている地域で歯科医師として働く。
そのスタイルでうまくやっていくためには。
もちろん自分が楽しめなければ自分の人生としてあまり意味がないと思う。
はやる理由、いろいろあると思うけれども、コミュニケーションに尽きると思う。
院長の人柄だなあ、人づきあいだなあ、そして愛情だなあ、なんてことを思う。
いろいろな点でここで働けてよかった。
ここで働くことになるにはいろいろな偶然があり、不思議な縁だ。
人生どこでどんな出会いがあり、何が起こるかわからないから、おもしろい。
by omori-sh | 2006-05-17 23:20 | create d.c.