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印象派の印象とそのついで

チケットが手に入ったので(といってもそんな大袈裟なものではないけれど)、子どもたちが学校や幼稚園に行っているすきに妻と2人で朝からおでかけ。
行き先は神戸市立博物館。
開催されているのが「オルセー美術館展」。

ぼくは美術館をよく訪れるわけではないけれども高校は美術選択だった。
中学の美術は好きで、その頃の記憶を辿っても、なぜか印象派の印象が残っている。
モネってなんか好きだなあ、という漠然としたものを中学生ながらに感じたように思う。

実は今日まで今ひとつ印象派の画家たちがいつの時代に活躍した人だったのか今日までよく知らなかった。
19世紀と知ってなんだか身近に感じた。
わずか150年くらい前で、日本だと幕末~明治維新の頃。

当時のパリの芸術家たちは互いに親交を深め、おたがいに交流しながら芸術を楽しんでいたように感じた。
互いに肖像画を描いているのがおもしろい。
それぞれが切磋琢磨してセンスを磨いていたであろう中に、独特の優雅さが漂っている。

そんな中、ぼくの目に止まったのはシスレー。
モネに教わったというシスレーは目立たない存在のようだがなぜかぼくの印象に残った。
作品は「洪水と小舟」。
洪水に見舞われて浸水している建物の前できっと困り果てて小舟を利用しているんだろうけれども、空は青空で、建物も美しい。
ひょっとしたら本当は悲惨なのに、その苦労は乗り越えられるよ、というような雰囲気を感じたのかもしれない。
ちょうどぼくが「日々是好日」という言葉に触れたからかもしれないけど、絵の前でその言葉が頭をよぎった。

となりのモネの「アルジャントゥイユの船着場」に似た作風で、モネの方がずっとメジャーだけれども、今のぼくにはシスレーの作品の方が響いた。
もちろんマネやルノワール、ゴッホといった人たちの作品がすばらしくて目の保養になったことは言うまでもない。

せっかく時間のある今だからこそ、そして心が疲れ気味な今だからこそ、こうした芸術に触れ、文化遺産に触れ、自然に触れよう。
できるだけ美術館に足を運ぼう。

大盛況のオルセー美術館展、どんどん人が増えてきたので11時頃に博物館を後にした。

そして博物館からすぐ近くの顧問税理士のartさんの事務所に寄ってみることにした。
とくにアポイントを取ったわけではなく、事前に連絡もしなかった。
ただあくまでも「博物館に来たついで」ということにしたかった。

それが思いがけず歓迎していただいて、お茶をいただいて、どうせならランチを一緒に、ということになった。

最後にお会いしてから変更になったこともある。
ブログで見て下さっているとはいえブログには載せていないこともたくさんある。
それに加えてartさんのお考えをまたいろいろ聞くことができた。

そして何よりこうしてぼくらが「ついでに」ふらりと事務所を訪れたことをえらく喜んでくれたのがうれしかった。
artさんからは以前「omori-shさんのまわりには協力して下さる人たちがいてくれるから大丈夫!」というようなコメントをいただいていたけれど、まさしくartさんや奥さまのreikoさんに支えてもらっていることを実感できた。
おいしいランチとともにまた励ましをいただけたのである。

案外「ついで」のほうが大きな収穫となるものである。

by omori-sh | 2006-11-08 17:49 | episode