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おわかれ、でもうれしい

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KB歯科最後の勤務。
KB院長、個性的な人。
朝礼で、挨拶しろと。
4日前の送別会のラストで、スピーチ?(酔っててあまり覚えてない…)を
したのだが、どうもそれではもの足りなかったらしく、
「ちゃんとした頭でもう一回話しろ」って。
よっぽどつまらないスピーチだったようだ。

でも、朝礼だし。しんみり話す訳にいかないし、
「お世話になりました、ありがとうございました」ってのも何か違う。
だから、ちょうど思っていたことを一言だけ。

「今日はみんなにとっては普通の一日です。
ぼくにとっては特別な一日です。よろしくお願いします」

KB院長にはもの足りなかったかな。




お昼前に、KB院長の奥様が挨拶に来てくれた。
先日乳ガンのオペをされたばかりだが、元気そう。
時計をいただいた。
「これからも、互いに助け合いましょうね」

午後から、施設へ訪問。今日はもう訪問診療というより挨拶まわり。
患者さんはほとんどおばあちゃん。数年来の馴染みも。
いろいろな想い出がある。
それでも今日はじめて会って入れ歯の調整をした人もいた。

「出会いの時はいいけれど、別れはつらいねえ」
難しくて、苦労した人に言われると、うれしい。
「おめでとうございます」と言って下さる方もいる。

「あんたがおらんようになったら、どうすればいいの?」
うれしいけど、ちょっとつらい。どう答えたらいいのか言葉に詰まる。

いろいろうれしかったけど、施設の人とのやりとりは、患者さんとのやりとりとは
また違ったものがある。

老健EVの看護師さん。
「開業されたらスタッフが患者として行くかもしれませんがよろしくお願いします」

Sクリニックの看護師長。先日チーズケーキを焼いて下さった方。
「がんばって下さいね。またいつでも来て下さい」

Sクリニック透析担当のみなさん。
「え、今日で最後なんですか?」

SクリニックのS先生。
「開業されたらお知らせ下さい。またこうして往診されるんですか?
歯科の往診をお願いしようと思っています」

特養T園の医務担当職員さんから、なんとお花をいただいた。(トップの写真)
おわかれはかなしいけど、こうして声を掛けていただいて、
お花をいただけるなんて、うれしい限り。感謝感激。

「ああ、ぼくは幸せ者だなあ」とつくづく思う。

KB院長とは、さらりと別れた。
しんみりするのは、互いに望まない。
男同士は、そういうものかな。

みなさん、お世話になりました。
7年間、ありがとうございました。

特別な日が、終わった。

by omori-sh | 2005-03-31 09:47 | episode