人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ぼくの舌

今朝の読売新聞編集手帳より

娘が父親に尋ねる。「お父さんは幸せなの?」。父親が答える。「そんなこと分からないさ。胃袋に、おいしいかと聞くようなもんだ…」◆30年ほど前のテレビドラマ『さよならインバネス』(作・早坂暁)の一場面を『テレビドラマ代表作選集』から引いた。幸せを玩味する舌を、人は持ち合わせていない。幸福とは何か? 金で幸せになれるか? 昔に問い、今もなお問いつづけているのは、舌なき身の宿命だろう◆収入が上がるにつれて生活の満足感は上昇するものの、幸せな気分は年収7万5000ドル(約630万円)前後のところで頭打ちになる――◆米プリンストン大学の教授らが年収と幸福の関係を統計的に分析した。米国人45万人以上を対象にした電話調査をもとに、笑う頻度などに表れる感情の起伏を考察したという。「高収入で幸せになれるとは限らない」。まあ、想定内の結論ではある◆歌人、安立(あんりゅう)スハルの一首を。〈金にては幸福は齎(もたら)されぬといふならばその金をここに差し出し給(たま)へ〉。年収630万円で幸福感が頭打ちになるのならば、一度、その天井に頭をぶつけてみたい人は多かろう。

年収630万円。
そういえば最近本屋でも「夫婦で年収600万」というのを見かけたような気がする。
共働きなら平均300万。

うちはどれくらいかな。
夫婦二人ともフルタイム働いてるからな。
スタッフに支払ってる給料考えると、一人300万はあっていいな。

ただ、いかんせんぼくらは経営者。
スタッフの給料は決まっているから、収入がなくても払わなくちゃいけない。
ボーナス月はいつもヒヤヒヤしてる。

そんなだから、今朝の編集手帳を読んで、そうだよな、高収入で幸せになるとは限らないよな、と思った。

でも、逆に言うと、630万までは収入が上がるほど幸福になれるってことだよな。

まあ今のところ、ぼくは幸せだと思っているから、いいんだけどね。
冒頭にあるように、本当に幸せなのかどうかは、わからないけれど。
わからなくても、幸せだと信じてたら、そう感じてくるもの。

舌も思い込みで味の感じ方が変わるはず。

ぼくの舌は、鈍感で、何でもおいしく感じるらしい。

by omori-sh | 2010-09-08 22:56 | episode