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比較って難しい

今の若者と昔の若者、どっちが恵まれているか、を考えてみると、これがまた難しい。
先日のエキサイトニュースで、今の若者が恵まれている、という記事があったので、ぼくが若者だった頃を思い出した。
確かに、あの頃無かったモノが、今はある。

今は当たり前のことが、当時は当たり前じゃなかった。
ケータイもメールもネットもなかった。
洋服も家電ももっと高かった。

25年前と今では、明らかに今の方が便利だ。
そういう意味では、恵まれていると思う。
けど、便利さと恵まれていることとは違う。

バブル世代は恵まれていたかもしれないけれど、バブルのおかげで痛い目に合った人も多い。
就職ということだけ考えたらぼくらの世代はよくて今は厳しいのかもしれないけれど、それはあくまでもその時点だけの話で、時代の変化とともにそれぞれの「いま」は違う。
すべてが一長一短、表裏一体だ。

ぼくらの時は恵まれていて、ぼくらの子どもたちは恵まれていない、となってほしくない。
できれば子どもたちのほうが恵まれていてほしい。
昔はよかったなあ、となってはいけないと思う。

何があっても、今が、そしてこれからのほうがよくなると思えるような世の中だといいな。
ぼくは自分にとって、自分が生まれた年が一番よくて、自分が生まれた場所が一番いいと思っている。
今のぼくの仕事もぼくには一番ふさわしいと思っている。

これからどうなるかわからないけれど、きっとその時点で自分は恵まれていて、過去も恵まれていたと思うような気がする。
いくら別の時代と比較しても、たぶんその思いは変わらないだろう。
子どもたちにも、「お父さんやお母さんよりも自分たちは恵まれている」と思ってもらえるようなことを、親としてしてやりたい。

それは今、何でもかんでもモノを与えてやることとは違う。
と言いつつ、実はモノや便利さはすごく大事だと思うし、もっと便利に、そして楽になったらいいなあとばかりを考えているんだけど。
一度手に入れてしまったものは手放すことはできないからね。

だから、比較って難しい。
世の中になくて、知らなかったら、不便も当たり前。
たぶん不便とも思わないだろう。

恵まれているのが幸せと同義なら、後の世代ほど、幸せであるべきだと思う。
そうやって、世の中をつくっていくべきだと思う。
そうしようとして、うまくいかないのはしかたないけど。

でも、将来がよりよくなるようにと、やらないと。
今の自分たちさえよければ、子どもらのことは知らん、というのはどうかと思う。
親からしてもらったことくらいは、子どもらにしてやりたい。

自分にできる範囲で、未来が少しでもよくなるように。
できることは本当にわずかで、限られているけれど、自分の仕事が、未来に少しでも役に立つように。
そうやって過ごしていれば、たぶん昔はよかったとあんまり思わなくて済むような気がする。

それはあくまでもぼく自身が。
ぼくは今しか生きられないから。
昔と比較しても、それがどうとか、わかれへん。

by omori-sh | 2012-02-09 20:15 | episode