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さまかさんか

患者さまか患者さんか。
お客さまかお客さんか。
別にどっちだっていいんだろうけど、ぼくはさまよりさん派。

患者とお客で違うかもしれない。
どっちかっていうと、せんせーと呼ばれる以上、医療機関は学校に近いかも。
じゃあ患者と生徒だと、生徒さんはあっても生徒さまはないような。

「患者様」が医療を壊す/岩田健太郎著 という本があって、パラパラ読んでて、なるほどなあと思った。
岩田先生は神戸大の教授で、同世代なので、ぼくの中ではここ一年くらい注目してフォローしている人。
とっても頭がいい人だと思う。

たぶん、友だちにはなれないタイプだと思うけれど、すごく魅力的な人。
といっても直接会ったこともなく、声を聞いたことも動いてる映像を見たこともない。
本とTwitterくらい。

岩田先生は医者と患者は対等ではないと説く。
それはいわゆる上から目線というのではなく、そのほうが患者にとって得策だって。
「人間を正当に評価するより、過大に評価した方が、その人のパフォーマンスは上がる」というのはまさにぼくもそう思う。

先生は偉くて、お父さんも偉い。
そのほうがうまくいく。
とっても同意。

豚もおだてりゃ木に登る。
いや、ぼく自身、豚だなあって思うもん。
なんだけど、ほめられることを目的にしちゃ本質を見失うとも思っている。

別にほめてもらいたい、評価してもらいたいと思って仕事をしているわけじゃない。
結構純粋に患者さんのために、と思ってる。
そこをうまくのせてくれる患者さんだといい関係になり、うまくのせてもらえないと、パフォーマンスが下がりそうになる、というのが実感。

下がりそうになったモチベーションをどう保つか、がプロとしての力量かな。
メンタル面でのコントロール。
人間らしさ。

岩田先生の著書は同世代だということで引用に共感できるところも多い。
ガンダム世代はガンダムをうまく引用されるとそれだけで通じ合ってる気にもなる。
島根の人で、子どもの頃いじめられっ子だったんだって。

著書は3冊目くらいだけど、どれも興味深く読ませてもらって、考えさせられてる。
今回は「自業自得と言わないで」というところでハッとした。
共感できる部分よりも、ハッとするところが印象に残るようになったからね。

病気になった原因は自業自得、みたいな感覚、ぼくもあるからなあ。
子どものむし歯は親の責任で、食習慣がこんなだから歯も悪くなるんだよ、みたいな。
それが、「自業自得で病気になっちゃった人こそ心を込めてケアしたい」と。

これ読んでめっちゃ反省してる。
そうか、そうならなあかんな、オレも、って。
これかなり難しいけど。。。

岩田先生は患者と医師の関係を「お医者さんごっこ」と表現しておられる。
大人のままごと、まさにそうかもなって思う。
お医者さんごっこは奥が深い。

子どものごっこ遊びは、推奨に値する。
うちの子らにも、いろいろなごっこを今のうちに経験しておいてもらいたい。
大人の振るまいができるようになるためにも。

by omori-sh | 2012-07-06 20:11 | episode