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体罰に関すること

桜宮高校バスケ部の事件で、体罰に関してあれこれ思う。
桑田真澄氏の発言が話題になったが、なるほど、そうだよなあと感心した。
桑田氏は「体罰は不要」と訴えた。
殴られた経験を踏まえ、「子どもの自立を妨げ、成長の芽を摘みかねない」と指摘した。

私は、体罰は必要ないと考えています。
「絶対に仕返しをされない」という上下関係の構図で起きるのが体罰です。
監督が采配ミスをして選手に殴られますか?
スポーツで最も恥ずべきひきょうな行為です。
殴られるのが嫌で、あるいは指導者や先輩が嫌いになり、野球を辞めた仲間を何人も見ました。
スポーツ界にとって大きな損失です。


恥ずべき行為をしてしまっている指導者にはぜひとも改めていただきたい。
少なくとも時代が違う。
自分が受けてきた指導だからという理屈は通じない。

アマチュアスポーツにおいて、「服従」で師弟が結びつく時代は終わりました。
今回の残念な問題が、日本のスポーツ界が変わる契機になってほしいと思います。


ぼくも変わってほしいと思う。
そして小学生にスポーツを教えている指導者の端くれとして、自分も考えなくては、と。
「叱るべきところはきちんと叱る」というのは難易度が高い。

勝つことがすべてではないけれど、スポーツをやってるんだから、勝つ喜びは知ってもらいたいし、負ける悔しさも感じてほしい。
勝っても負けてもいいライバル、というのも。
「勝ちにこだわる」という考えも理解しつつ、楽しみたい。

また、twitterで武術家の甲野善紀氏が体罰に関してつぶやいておられた。

体罰の悲劇を根本的になくすには、何も教師だけでなく、親も、そして社会全体が、生物多様性ではないが、さまざまな職業や生き方の価値観を拡げ、「人間が生きる、とはどういう事か」という本質的問題と本気で向き合う事である。


そういえば桑田氏は甲野氏に指導を受けて、野球に武術を応用しようとしていたと記憶している。
響きあう人たちの言葉に、ひかれる。

「指導とは相手に何も押しつけず、相手自身が自発的に行動するよう導くこと」
これは整体協会の創設者野口晴哉先生の名言である。


時間がかかっても、そうすべきなんだろう。
短絡的な体罰や、高圧的な指導は、一時的に効果があっても、本質的ではない。
上っ面だけだと、必ずメッキははがれる。

急ぎすぎているんだな、きっと。
結果を求めすぎる。
しかもその結果は勝ち負けとか、わかりやすい数字に。

結果が欲しい、というのは人間だもの、それもわかる。
結果がすべて、というのも。
だからこそ、改められることを。

by omori-sh | 2013-01-15 00:32 | episode