人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログのちから

ブログをはじめて、つくづく感じること、それは「コメントによって支えられている!」ということです。
ただ自分は好きなことを書いて発信して、見せたがりのぼくは写真なんかもバンバン載せて。
発信するだけでもすっきりするんですが、それを見てくれる人がいて、さらにコメントを残してくれる人がいるというのはすごくうれしいんですね。

コメントやトラックバックで見てくれている人とコミュニケーションができるというのがすばらしい。

そして、いただいたコメントが、ぼくが書いた記事よりもより深かったり、読み応えのあるものだったりして、びっくりうれしいことというのがあります。
先日の、講演会「在宅ホスピスケア」では、確かに記事の内容が少々ディープなテーマではありましたが、いただいたコメントがすばらしくって、これこそブログの魅力だなあと思いました。

さらに、コメント欄には書き込まれてませんが、親しい人の中で、eメールを送ってくれた人がありました。



eメールはぼくの妻に届いたもので、妻がぼくに転送してくれました。
送り主は妻が尊敬している友人、同期入社で披露宴では最後にスピーチしてくれた彼女。

そもそも「臓器移植に関してどう思う?」という質問を妻がぼくにするきっかけを与えてくれたのが彼女です。
彼女はたいへんに聡明な方で、妻にとっては「よくもわたしなんかと友だちでいてくれる、ありがたい人」です。
何といっても「自分の意見」をしっかりと持っておられて、鋭い視線で世の中を見ておられる。
だから彼女のメッセージからはたくさんの学びがあります。

彼女が翻訳した論文脳死に関する論文の結論は、「とにかく脳死は人の死ではないと考えるしかない」というものだそうです。

臓器移植という目的があるために、脳死を死としようとしている」ということらしいのです。

臓器移植をすすめるために、脳死は人の死だ、と無理矢理定義されようとしている、そういう法律が生まれようとしている、というところなんです。

日本では現在、臓器提供意思を示している人のみ、脳死判定時点で死んだとして臓器を摘出できることにしています。

今度の選挙で自民党が大勝でもすれば、またもや脳死を一律に人の死であるとして、臓器移植できるようにする改正案が提出されるかもしれない、と危惧されています。

自民党主導じゃなかったら、臓器移植法案はそのまま進められないとは限りませんから、だから自民党には反対!とまでは言えないような気はします。

ただ、いちばん怖いのは、彼女の指摘では、
この件に関してあまりにも議論が低調で、知らないうちに通っている」ということなのです。

「いま、臓器移植に限らず、大切なことが知らないうちにすすーっと決まっていくのが本当に怖いです。
郵政民営化なんて、こんな大騒ぎして決める話ではないのに。がっくりくる。
私たちは政治家に本当に軽く扱われていると思う」
という言葉に、今回の選挙を見る目がまた、ちょっと変わりました。

彼女のご主人はお医者さんで、移植に関して夫婦で意見が割れているそうです。
移植には骨髄移植も含まれますし、献血だって一種の移植でしょう。
「やれば助かる患者にはしてあげたい」という医師の立場の考えももっともだと思います。

ほんと、黒白はっきりつけた立場を決めるなんて、難しくて不可能なのかもしれません」という言葉に、たいへん共感しました。

黒白はっきりさせなきゃいけないと考えなくてもいいじゃない、というあいまいなぼくですが、そうはいかないのが社会のしくみなんでしょうかねえ。

難しい問題です、いろいろと。
だからこそ、無関心ではいけないんでしょうね。

考えることしかできないかもしれないけれど、考えることこそがたいせつなんだろうなあって。

こうやってブログを通じていろいろな人の意見に耳を傾けることで、それぞれの考えに触れ、自分の考えも影響を受け、練り上げられていくんですね。
だから、ブログをはじめてよかったなあと思うのは、この「考える」習慣がようやくついてきたということなんです。
いままでいかに自分が何にも考えていなかったか。視野が狭くて自分中心で、世間に目を向けていなかったか、そういうことを知ることができたのも、ブログのおかげなんです。

みなさんに感謝です。

by omori-sh | 2005-09-08 08:56 | blog