220と284

今朝の通勤電車で「世にも美しい数学入門 藤原正彦/小川洋子」を読んでて、惹かれた。

数学って、すばらしい。美しい。
そして日本人って数学に強いらしい。

「なんで、日本人が数学的にすごいかといいますと、美的感覚がすぐれているからなんです」

大自然を五七五という最少の言葉で表現する俳句に通ずるという。
美的感受性が豊かであることと数学が世界に誇れる得意分野であることが重なるというのだ。

また、「数学は実用にすぐ役立たないから素晴らしい」という。
この藤原正彦さんという数学者の方、とーっても素敵な方。父新田次郎、母藤原てい。
もちろん小川さんも鋭い。

少し前新聞で藤原さんのコラムを読んで、数学者という肩書きに頸をかしげたのを覚えている。もちろんいい意味で予想外だったのだ。

「人間というものは、脳は考えたい、足は歩きたい、手はつかんだりぶん殴りたいんです。
そういう機能の一つとして、人間というものは感激したいものです。
そういう欲求を満たしてくれる詩歌とか音楽とか文学とか芸術一般は、実用的な意義はなくともすごく人類に役立っていると思いますよ」

「数学とは当面は何の役にも立たないが、後世になって非常に役立つこともある、という奥床しい学問なんです。
ただ価値は高い。人間には感激したいという深い欲求があり、それを満たしてくれるのは、美しい自然は別格として、数学や文学をはじめとする文化や芸術以外にあまりないですからね」


そうそう、ほんと、感激したい。
そして身体についても、もっと生かさなきゃ。せっかく足があって走ることができるんだから。
せっかく手があるんだから、手を握ろう。

「三角形の内角の和が180度である」
「一つの弧に対する円周角の大きさはすべて等しい」


こういうのは当たり前として、テスト問題に対して正解を得るためにだけに知識として覚えたけれど、「どうですか、美しいでしょう」と言われると、なるほど、美しいではないか。

円周率のπとか自然対数の底であるeとか複素数のiとか。
驚いたのがeのπi乗=-1。
無限に続くeとπ、虚数であるi。eをπi乗するといきなり-1になるそうだ。
すごい。

そしてすごく気に入ったのが、友愛数と完全数。

220と284は特別な関係で、友愛数と呼ばれている。
220の約数の和が284で、284の約数の和が220。

220:1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110=284
284:1+2+4+71+142=220

これを友愛数という表現をするところがロマンチックではないか。

完全数というのは、約数の和がその数になるというもの。
6・28・496・8128・・・

6=1+2+3
28=1+2+4+7+14

そしてこの完全数は連続する自然数の和になっている。
6=1+2+3
28=1+2+3+4+5+6+7

今日から6と28という数に対するイメージが変わった。

映画化された「博士の愛した数式」で阪神時代の江夏の背番号28として取り上げられているらしい。
友愛数も話の中に織り交ぜられているそうだ。

友愛数、なんだかいいなあ。
約数って、自分の身体の一部って気がするし、その自分の身体を切りとって足したもの同士が互いに入れ替わるって、神秘的だ。

220と284の関係、美しすぎる。
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by omori-sh | 2005-12-21 15:02 | book